Health-care-associated pneumonia (HCAP)の臨床像に関する調査のお知らせ

私たちは医療関連肺炎(HCAP) の病態を市中肺炎(CAP)と比較する研究を行っています。
CAP とは,医療関連行為を受けていない方に家庭で起こった肺炎です。HCAPとは,アメリカ胸部疾患学会が2005年に出版したガイドラインで肺炎の新たなカ テゴリーとして提唱されたもので,何らかの医療関連行為を受けておられる患者さん(以下の範囲に入る患者さん)に起こった肺炎のことを言います。

(1) 過去90日間で2日以上の入院歴がある。
(2) 老人ホームなどの長期療養施設にて発症した。
(3) 過去30日以内に抗生剤や抗癌剤の点滴治療や創傷治療を受けた。
(4) 透析治療中である。
(5) 外来通院中である。

これまで,HCAPについては多人数の患者さんのデータを解析した研究は少なく,まだその臨床的特徴は明らかではありません。そこで,京都大学および関連 の病院に入院されたHCAPもしくはCAPの患者さんを多人数集積して, HCAPの診療に役立つ情報を見出すことを目的としました。
こ の研究は,2010年12月までに京都大学医学部附属病院および一部の関連病院(約10病院)に入院され,HCAPもしくはCAPとして治療を受けられた (または,治療を受けられる)患者さんを対象とし,患者さんのカルテを閲覧し,病状や基礎疾患,検査データ,原因菌,治療効果などのデータを解析するもの です。カルテの閲覧は医師が行い,カルテが施設外に持ち出されることはありません。調査には患者さんのお名前は使用せず,番号で管理されますので,個人情 報(お名前や住所など個人が特定できる情報)は保護されます。
本研究は京都大学における医の倫理委員会で承認を受けたものですが,対象となる患者さんにつきましては,ご異存がなければ調査に加えさせていただきたくお 願いします。もしそれを望まれない場合やご質問がある場合は下記までご連絡ください。ご協力いただけない場合でも,今後の診療に不利益はきたしません。な お,研究結果は,学会や出版物として公表することがあります。 ご理解とご協力のほど,どうぞよろしくお願いいたします。

研究責任者
〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
京都大学医学部附属病院呼吸器内科 伊藤功朗
TEL:075-751-3830>
e-mail:isaoito@kuhp.kyoto-u.ac.jp